■ 2023年の終わり、心だけが置いていかれた

12月の稼働に、最後の力を振り絞っていました。
身体はまだ動いてくれるのに、
心だけがどこにも向いていかない。
勝てる方法も、勝ち続ける仕組みも、
全部わかっているはずなのに──
それを使う気力が、もうなかったんです。
それでも「12月だけはやろう」と決めて、
僕は淡々と、静かに、1ヶ月を走り切りました。
けれど心の火は、もうほとんど残っていませんでした。

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■ 年間の数字が示す“限界”
2023年の収支表を見ると、僕は確かに結果を出していました。
正直、金額だけを見ると「このまま続けるべき」だったと思います。
軍資金もあり、仕組みもあり、仲間もいた。
──続ける条件は、全部揃っていた。
でも、その数字の向こう側にあったものは、
誇らしさや喜びではなく、
「ここが限界だったんだな」という静かな実感 でした。


数字としては過去最高クラス。
でも、心の状態は過去最低でした。

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■ 正月、もう一度だけ向き合ってみた
2024年に入ってから、僕はほんの少しだけ考えました。
「……もしかしたら、まだ続けられるのかな」
そう思い、ホールへ行ってみようとした日もありました。
けれど結局、ほとんど稼働することなく1月は過ぎていきました。
心が、もう戻らなかったんです。
まるで自分の中のエンジンが壊れたまま、
二度と回らなくなってしまったような感覚でした。
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■ 軍団長として、最後の責任
僕は覚悟を決めました。
「ここで終わりにしよう」
それは敗北ではなく、逃げでもなく、
“自分を守るための選択” でした。
長く一緒に頑張ってくれたメンバーに感謝しながら、
僕は静かに、軍団を解散しました。
彼らのおかげでここまで来られたこと。
そして最後までついてきてくれたこと。
その事実だけで胸がいっぱいになりました。

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■ パチカス人生の終わり
2019年、依存症でどうしようもなかった僕が、
スロットだけで生活を成り立たせられるようになった。
年間ミリオンを連続で出し、
1000万の壁を越え、
軍団を率いて走り切った。
本当に色んなことがあった。
でも今は、静かに思います。
「あぁ、これで良かったんだ」 と。
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■静かに未来へ繋がっていったもの
こうして僕のパチスロ人生は、
一度そっと幕を下ろしました。
あの頃のように戻ることは、
もうないのだと思っていました。
けれど数年後、
気づけばまた光の下に立つことになります。
その理由を、この時の僕はまだ知らずにいました。

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