【第三章:軍団長と全盛期】(第十三話)専業同士のノリ打ち——理想と現実のギャップ

物語

◆ 僕が“ノリ打ち”に興味を持った理由

並びイベントや取材公約に通い続けていた当時、
僕はだんだんと 強い軍団とのレベル差 を感じるようになっていました。


        •       個性の強い打ち子たち
        •       高精度の情報共有
        •       打ち手同士の役割分担
        •       店の癖への理解度の高さ

特に、専業同士で「ノリ打ち」をしている組は、
立ち回りも判断も全体の動きも洗練されていて、
正直 “最強の形のひとつ” に見えていました。

そんな中で僕は、
とあるピン専業の方と 期間限定でノリ打ちをしてみる ことにしました。

お互いの得意分野を活かして、
情報量と押し引きの精度を高めながら動く——
そんなイメージを描いていました。

しかし、この“理想”はすぐに崩れていきます。

◆ 実際にやってみて気付いた“ノリ打ちの難しさ”

ノリ打ちはメリットも多い反面、
実は 相性・役割・判断軸 が揃っていないと成立しません。

特に当時の僕が痛感したのは次の3つです。

■① 判断速度・判断軸のズレ

設定狙いでもハイエナでも、
「どこを見るか」「どの根拠を重視するか」は人によって違います。

同じデータを見ても、
        •       僕は“続行”と判断
        •       相手は“撤退”と判断

というズレが生まれる。

この小さなズレが積み重なると、
ノリ打ちの根本である “同じ方向を見ること” が難しくなります。

■② 役割分担がうまく機能しない

ノリ打ちは、「チーム戦」。

しかし、相性が合わない場合、
役割よりも お互いの負担 が大きくなってしまうことがあります。

僕の場合、気付けば
相手の状況把握・判断補助・立ち回り修正まで
多くを自分が担う形になっていきました。

この時に感じたのは、
「ノリ打ちは、誰と組むかで全てが決まる」ということ。

■③ 期待値の“波”を共有する難しさ

スマスロ時代とは比べ物になりませんが、
6号機初期の頃から収支は荒れやすくなっていました。


        •       片方だけ大きく負ける
        •       全体でマイナスが続く
        •       判断の重さが互いにのしかかる

この「精神的な揺れ」を共有するのは、想像以上に難しい。

期待値の世界は長期視点がすべてですが、
それでも“人間”なのでメンタルが揺れることはあります。

ここが噛み合わないと、
ノリ打ちは一気にしんどくなります。

◆ 僕はすぐに後悔することになった

ノリ打ちを始める前は、
「これが最強の形なのかもしれない」と期待していました。

しかし現実は、
理想とはかけ離れたものでした。

もちろん相手の方が悪いわけではありません。
ただ、
        •       判断軸
        •       経験値
        •       店の見方
        •       リスク許容度
これらが合わなかっただけ。

ノリ打ちというのは、技術よりも
“価値観の相性” が大事なんだと痛感しました。

そして僕は、
「ピン親で動く方が安定する」
そう感じて、その専業とのノリ打ちは短期間で終了しました。

◆ ノリ打ちにはメリットも多い

ノリ打ちは決して悪いものではありません。
        •       判断を補完し合える
        •       リスクを分散できる
        •       荒れる環境でも精神的に楽
        •       店全体を複数視点で把握できる

特に 今のスマスロ環境では合理的な立ち回り と言えます。

ただし、それが機能するのは
“レベルが近い者同士が組んだ場合のみ”。

レベル差が大きいと、
片方の負担が増え、
ノリ打ちは途端に崩れてしまいます。

win-winの関係であり続けることが大事ですね。

◆ 次回予告

僕のノリ打ち初体験は、
理想とは程遠い形で終わってしまいました。

しかし、この経験は
「誰と組むかの重要性」
「判断軸が揃うことの価値」
これを痛感させてくれました。

そして翌年——
僕はさらに別の専業たちと関わりながら、
軍団長としての立ち回りを磨いていくことになります。

次回は「ノリ打ち後に起きた転機」について書いていきます。

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